短歌 1994年 秋

ルーブルで総ガラスなるピラミッド新しき美を吾は知りたり

モネの家浮世絵多く飾られてあるを見て知る日本の美を

エッフェル塔見上げてみればあまりにも東京タワーと変わらず思ふ

汽笛鳴る如きオルセー美術館名画も多し疲れも多し

巴里に行き一週間を泊まりたる宿のその名はモリエールなる

宿の窓開くるば名高きカペル橋一望に見るこの驚きや

吾が描きし父の似顔絵に喜びし父はしるしぬ児戯可愛ゆしと

駐車場越しに隣家の窓あかり深夜のオレンジ色は気になる