短歌ほか 2014年

水俣の歌よまれたる陛下思はず我は手を合わせけり

我が家の門先掃きて清めたる今は亡き人恋しかりけり

お参りもせず帰りたる神社かな

ひたすらに我が子の帰り待ちつつありぬ

爪切られモモしょんぼりとしてるかな

かしこい猫よちんまりとストーブの前に座りおり

高尾山行きて帰りし子の土産有難く我仏壇に上ぐ

消費税8%で生きれるか

明日のこと皆目わからぬ日をすごし

子の帰り待ちつつあれば虫の鳴く

暑き日の帰りの遅き夕暮れはひたすら無事を祈るのみなり

森林につづく窓辺を走るように駆け抜けてゆきし人影をみし

云わなくてよいこと云ひしを少し悔い

ただ一人残りし友に去られけり

カーテンが動くとモモを想いけり

あすも傘あさっても又傘マーク外に出られぬおのれか

四時ごろか時計をみればまだ二時なり

高倉健死んでやることみな忘れ

映画みる能力も我失せしかな

不肖の子それでも許すおやじかな  (春雷にきも座りおり不肖の子 永治)